ミステリーレコード

Coexistence of Science and Mystery

エリア51 UFOとアメリカ政府の関係

先月、アメリカ政府は未確認飛行物体、いわゆるUFOに関する分析結果をまとめた報告書を公表しましたね。そんなUFOと関係があると言われているエリア51に関しての紹介です。

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エリア51 は1955年に設置、アメリカの極秘プロジェクトを行う施設として利用されてきました、場所はアメリカ合衆国ネバダ州レイチェル。

エリア51は山に隔てられていて、道路からは見えません、施設の周りにはセキュリティー設備が配置され施設周辺は軍隊の監視下にあります、2013年にCIAが公開した資料によって、その答えが明らかになりました。

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冷戦の際にソビエト連邦をスパイする為に使用されたアメリカ合衆国ロッキード社が開発のU-2(偵察機)を極秘でテストする目的があり、その極秘プロジェクトをアクアトーン計画というコードネームで呼ばれていました。
 
エリア51で働く人々は、全員が厳しい管理下に置かれていました。セキュリティ管理はとにかく厳重で、基地に着くと情報管理のルールを厳しく教えられます、機密情報を絶対に漏らすなと指導、会議の時にメモを取る事も許されません。パイロット同士の会話も禁止そして、コードネームが与えられます。
 
自分や仲間の人生がかかっていた為、皆ルールを守っていたそうです。
 
エリア51 で働く者は皆、全容をしりません。整備士はパイロットが空で何をするか知りません。極秘で飛行テストをしているとはいえ、飛行中のU-2が民間の飛行機のパイロットや市民の目にとまることもあり、思わぬトラブルを引き起こす事もあります。
 
U-2の本来の目的を隠し通す為にCIAは隠蔽工作を行いました、この軍用機は気象観測の為に使われると。
 

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1950年代の中頃、UFOに対する人々の関心はピークを迎えていました、U-2はアルミ製なので空に輝く星のように見えたでしょう。偵察機U-2は何度もUFOと見間違えられるようになってました。
 
 
しかしこれはエリア51 にまつわる神話の始まりに過ぎませんでした。
 
 
政府にとってUFOの目撃情報はU-2を隠すのに、最適な噂話でした、しかし1960年5月、U-2がソ連領内で撃墜された事で、アメリカのスパイ戦略が公になってしまいます。
 
CIAは敵のミサイル技術が向上し、U-2が撃墜されると予想はしていました。
通常の飛行機より高く飛べても十分とは言えません。そして、CIAは後継機を作る事にしました。
 
レーダーに探知されにくい高速の高高度探査機です。
 
CIAの次なる計画には、オックスカート計画というコードネームがつけられました。高高度を超高速で飛ぶ偵察機の開発です。
 
この偵察機A-12は、ステルス性を有し、レーダーによる追跡をかわします。
 

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A-12は当時の最高傑作で、他の機種の性能を大幅に超えていました。高度を27000mで飛行できる偵察機の最高速度はマッハ3以上、機体の耐熱温度はU-2より格段に優れていると言われています。高速で飛べば機体は高温になります、それに耐えられる強くて軽い金属はチタンしかありません。
 
ところがアメリカでは、チタンが不足していました。皮肉にも当時、世界最大のチタン供給国はソ連でした。
 
そこでCIAは、複数のダミー会社を立ち上げて、的確であるソ連から密かに買い付けたのです。
 
チタンを使用しているなんて、ソ連は知りません。
 
アメリカがチタンで偵察機を作ると知っていたら、ソ連はチタンを売ろうとは思わなかったでしょうね。
 
CIAのオックスカート計画を進める為にエリア51 は大規模な増築を求められます。CIAは大金をかけて基地を拡充しました。
 
一時的な施設だったエリア51 は、これを機に永続的に使用される事になります。
 
1962年2月にはA-12の試作機を迎える準備を整えました。しかし問題は、どうやって部外者に知られずに運び入れるかです。
 
エリア51でテストを行うまでは、空を飛ばさない為、ロッキード社とCIAは頭を悩ませました。
 
カリフォルニア州バーバンクの工場とネバダ州のエリア51 はおよそ、500キロ離れている、しかも計画を世間に知られてはいけません。
 
A-12の試作機は箱に入れられて運ばれました。
縦30メートル、横10メートルの箱です。それをトレーラーで運搬。

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エリア51 の元警備隊員、トム スタンクスはカリフォルニアのハイウェイパトロールやCIAの局員たちとともに運搬をサポート、巨大なトラックが通れるように道路脇の木や標識が取り除かれます。A-12の関連資材を運び入れるのに、18回の輸送が必要だったと言います。今では、トム スタンクスがエリア51 に入る事はできません。
 
 
ケン コリンズ(エリア51 テストパイロット)は到着した機体を最初に目にした人物の一人です。格納庫の中を見ると、大きくてキレイな機体がありました。「圧巻の光景です、まるで宇宙船のようでした」と言っています。
 
当局はエリア51 の事をずっと隠し続けていました、だから、この施設の実態は謎に包まれていたんです。人々が知りようがありません。
 
エリア51 の目的は、ただ一つ。
偵察機を完成させ、海の向こう側へ飛ばす事でした。
 
ロッキード社のエンジニア達はレーダーに探知されにくい偵察機を開発しましたが、その性能を確認するにはレーダー反射断面積を確認するしかありません。エリア51 ではその実験が行われました。地上から17メートルほどの高さに実物大のモップアップを設置し18ヶ月にわたりテストが行われました。
 
実験に関わったのは選ばれたわずかな人員だけです。
 
冷戦の最中、先端技術の情報が外部に漏れないように開発中の航空機にはコードネームが使われます、アーティクルと呼んでいました。機密情報を守る為、あらゆるものがニックネームなどで呼ばれていました。パイロットも例外では無い。
 
当局がここまで神経を使うのは当然の事でした。当時、繰り広げられていたスパイ合戦てアメリカはソ連に遅れをとっていたからです。
 
1957年ソ連スプートニク1号を打ち上げに成功
世界初の人工衛星を宇宙に到達させ、その後もソ連は次々と打ち上げました。
 
その多くがアメリカ上空を通過した為、オックスカート計画の関係者たちは、エリア51 が衛生写真に映る事を警戒したと言います。いつ人工衛星が上空を通るか、調べて把握していました。エリア51人工衛星が近づくと全て隠すんです。
 
A-12のステルス性能を試すには機体を一定時間、設置しなくてはなりません。この事が関係者たちを悩ませました。モップアップを下ろして隠すしか解決策はありません、人工衛星が去ったら元に戻します。とても大変な作業になりました。出し入れと上げ下げを繰り返すのは、本当に煩わしかった。
 
やがて関係者たちは、ソ連を欺く作戦を思いつきます。
 
衛生写真にわざと映るように、格納庫の前にニセの機体を厚紙を使い描いたんです。上に熱を発するヒーターを置いて、着陸したばかりの軍用機があると見せかけました。謎の最新機種に脅威を感じたソ連が、金と時間を調査に費やすように仕向けたんです。
 
 
A-12はエリア51 の外を2850回飛びました。極秘のテスト飛行です。
 
日光の当たり方によっては、人に目撃されましたが、市民はA-12を知らないのでUFOだと思ったようです。ニュースなどでは、空軍は飛行物体がアメリカの秘密兵器ではないとし、正体を探るとしていますと報道。
 
当時、空軍はUFOを調査していました。プロジェクト、ブルーブックです。
 
そんな中、A-12が目撃されてしまいます。そこで事実をごまかして、火種を消す事にしました。私達は2000件もの目撃情報を分析し、対応に追われた空軍のUFO調査チームはA-12の存在を隠し通しました。
 
管制塔は高速で飛ぶ物体の存在を、公表できませんでした。国民が不安に思うからです。民間機のパイロットは厄介でした、空を昇っていくA-12を見つけるんです。民間のパイロットや乗客にA-12が目撃されると、FBIは彼らが着陸する空港に先回りして着陸を待ちます。そして何を見たか口外しない事を誓わせて、契約書に署名をさせました。
 
政府はUFOの噂を利用する事に成功しました。
 
こうした隠蔽工作が今も続いているのでしょうか?
 
 
今でもラスベガスのマッカラン空港では、オックスカート計画の時と同じように、関係者がエリア51 へ通勤する様子が見られます。U-2やA-12はその後のエリア51 を完全な秘密施設に変えたのです。現在、アメリカ軍が極秘で行う軍事プロジェクトの予算は年間500億ドルを超えると言われます。
 
そして今でもエリア51 に関する様々な噂が飛び交っています。人々は真実を知りません、だから間違った情報が人々の好奇心によって増幅していきます。
 
 
時にエリア51 に関する市民の大胆な想像は、真実と一致することもありました。
 
計画は順調に思えましたが、1974年ある問題が発生します。アメリカの宇宙ステーション、スカイラブから撮影された画像にエリア51 が写っていたのです、エリア51 にとって重大な分岐点となりました、1970年代中頃にはCIAによるU-2とA-12のプロジェクトが縮小、人工衛星のテクノロジーが発展し高く飛べる偵察機が必要なくなるとエリア51 の管理はCIAではなく、空軍(国防総省)がになうようになりました。
 
その結果、あるテクノロジーが進歩を遂げます。
 
ステルス技術の革命です。
メディアでは、強力な破壊力を持つ軍用機がネバダ州の空を舞いました、F-117などのステルス戦闘機です。ステルス戦闘機の開発は空軍がエリア51 を管轄するようになった1978年には始まっていました。携った中で、特に興奮した軍用機は、試作機のハブブルーです。見た事のない斬新な形をしていました。
 
試作機の目的はただ一つ、ステルス性を実現する事です。A-12は成層圏を超音速で飛ぶ事はできましたが、レーダーに探知されてしまう恐れがありました。一方ハブブルーは音速には達しないもののレーダーにはほぼ探知されません。
 
全長12メートルの航空機にしては、悪くない結果です。ハブブルーのテストが成功した事が踏み台となり、アメリカ空軍初の実用ステルス軍用機が誕生しました。
 
その名もF-117 (ナイトフォーク)です。

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ステルス技術は最高秘密事項として扱われました。これは今の時代も全く変わりません。機密レベルの高さという点でステルス技術は、原爆開発のマンハッタン計画を超えていました。ステルスは軍事技術の未来を担っていたんです。F-117は空気力学よりも、ステルス性を優先して設計されました、ステルス性を追求した事で、機体は独特な形状をしています。この航空機が空を飛ぶとまたもやUFOの噂が流れるようになりました。
 
そして当局は再び対応を迫られる事に。
 
エリア51 が誕生した時から、この施設でテストされる航空機には、常に情報の隠蔽工作が必要でした。政府は最近目撃される飛行物体は、政府とは無関係です。関連は一切ありませんと発表。
 
不思議な飛行物体目撃情報はアメリカ国民の想像力を掻き立てます、エリア51 とUFOの関連性が疑われ、陰謀説がエスカレートしていきました。
 
そして、ある男性が突拍子もない主張をした事で騒ぎはさらにヒートアップ
 
ボブラザー
「私は1988年から89年にかけて、政府による謎の飛行物体の研究に携わりました」
 
ボブは政府がエリア51 の近くにある施設で、実物のUFOを元に研究を行なっていると主張。
 
信じがたい話でしたが、好奇心をそそられた人々は、エリア51 に大きな関心を寄せ、施設の存在は、世界中に知られるようになりました。
 
ボブラザーのインタビューは衝撃的でした。
多くの人は発言に疑念を抱きましたが、エリア51 はUFO神話の中心地となりました。
 
UFOの存在や政府の隠蔽説は実しやかに語られるようになったのです。そして当時から、30年以上が経った今も、施設や周辺の街で宇宙人愛好家達の聖地となっています。ボブラザーの主張は今も揺るぎません。
 
エリア51 とUFOの関係について、人々の関心が増していく中、2019年にアメリカ政府自体が興味深い事を発表しました。エリア51 から遠く離れた場所で撮影され、国防総省が公開したこの映像により謎はさらに深まりました。
 

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とは言え、もしこの映像が何かの隠蔽工作の為だったとしても、関係者が真実を話すことはないでしょう。
 
誰にも真相はわかりません。
 
アメリカ政府はエリア51 の存在を建設から60年近く経って、存在を認めました。ここは、今後も国の重要なプロジェクトを担う施設として、存続し続けるでしょう。
 
空港写真や衛生写真からエリア51 の変化がわかります。新たな滑走路や格納庫などが出来て、常に手が加えられています。進化し続ける、生きた軍事施設なんです。

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今回は、ナショナルジオグラフィックにて元エリア51で働く関係者による、エリア51に関してのインタビューなどを元に書きましたが、その関係者でさえエリア51のほんの一部しか知らないと言っています。そもそも今回の関係者とされる人達が隠ぺい工作なのかも知れません。本当の真実はまだまだ深いところに潜んでいて、顔すら出していないのかも、もしかしたら様々な陰謀説の中に答えがあったりするのかもとか考えると、ワクワクしちゃいますね。

 

でわでわ。